【イベントレポート】~起業・独立・両立を考えるママのための不安解消法~(後編) | 新聞科学研究所

【イベントレポート】~起業・独立・両立を考えるママのための不安解消法~(後編)

フラワーアーティストの前田有紀さんと、ブラウンシュガーファーストの荻野みどりさん、共同通信の山脇絵里子さんのトークセッション。後編は効率的な新聞の読み方や、情報収集のコツについてご紹介します。

 (前編はこちら

――どんなふうに、情報収集法していますか?

 

前田さん:子どもを産むため実家に帰っていた時期に、母がおもしろいと思った新聞記事を切り抜いて渡してくれました。切り抜きを見ると自分と同じ視点の意見に気づいたり、子育てや働く女性に関する話題など興味深い記事を見つけたりすることもありました。それからはスマートフォンでも新聞にふれることを大事にしています。

 

荻野さん:スマホでSNSの情報を見ることが多かったのですが、ある日、SNSは「30代」「働く女性」「子育て中」など、私というセグメントに合わせた似通った情報ばかりが届くことに気づきました。SNSは情報量も多いし早いけど、狭くカスタマイズされた情報がどんどん届くので危機感を覚えました。新聞は取材した情報を色々な人がチェックしているので情報の確かさと広さはすばらしいと思います。新聞を置いておくと娘も読みます。娘が何に関心持っているか見えるのでコミュニケーションにもつながります。

 

■見出しを読むだけでもOK

 

山脇さん:時間がない中での効率的な情報収集のコツを知りたい、新聞は忙しいときに読みにくいとの声もありますので、時間がないときにざっくり新聞を読む方法をお伝えします。やはり見てほしいのは一面の記事です。一面には新聞社がその日一番見てほしいニュース、メッセージを載せています。色々な要素が凝縮されているので、見出しを読むだけでも世界で起きていることが大体分かります。見出しで気になった記事は最初の一文を読んでみてください。20行くらいのリードに大事なことが要約されています。1面を見て、社会面、経済面、生活面をさらっと読むだけでその日の大事なニュースはほとんど知ることができます。忙しい人は1面を見た後興味ある面だけでもいいので見てほしいです。書いている側としては、何か一つでいいので面白そう!と思った記事を最後まで読んでほしいです。知らなかった情報との出会いがあるんじゃないかなと思います。

 

荻野さん:新聞で全体を見渡して、関心があるものは記事をしっかり読んで、さらに興味があればネットで調べるというのがよいかも。

 

前田さん:アナウンサーのときは全紙に目を通すよう言われていましたが、読んでいながらどこか人ごとでした。でも妊娠・出産を経て自分に向けた記事が必ずどこかに載っていることに気づいてからは、新聞を読むのが楽しくなりました。

 

■社会を少しずつ変えるヒントも

 

山脇さん:記者も生活者なので子育ての中でおかしいと思ったことを記事にすることもあります。育休中、地下鉄の改札にベビーカーは畳んでご乗車くださいという張り紙がありました。改札内のエレベーターにはベビーカーのマークがあるのに、なぜ畳んで娘を抱いてママバッグを持って乗らなきゃいけないのか駅員に聞いたところ、「他のお客さんに迷惑だから」「危ないから」などの理由で聞いてもらえなかった。おかしいと思ったので育休明けに全国の鉄道会社に「ベビーカー乗車を認めているか、認めていない理由は何か、変える予定はあるか」などアンケートをしました。そうしたら、ある私鉄の方から電話がきて「記事はいつ出るんですか?記事に合わせて、関東の私鉄12社でこのポスターを一斉撤去すると発表します」と言ってくれたんです。うれしかったですね。ママ友にもほめられました。

 

荻野さん:おかげでベビーカーのまま乗れるようになりました!

 

山脇さん:新聞って社会を少しずつ変える力があると思っています。西日本新聞の「あなたの特命取材班」という企画では、読者が感じた疑問や知りたいことをSNSなどで送ると記者が調べてくれます。「子どもが急病の時に電話で相談できる番号がいくらかけてもつながらない」というママの疑問を調べて記事にしたこともあるそうです。この取り組みは全国の多くの地方紙に広がっています。社会を少し変えるヒントが新聞に載っていると思って読んでもらえるとうれしいです。

 

■ジェンダーギャップを解消する取り組み

 

山脇さん:参加者の方からは「ジェンダーギャップを解消するような取り組みや提案の記事を読みたい」というコメントもありました。3月8日の国際女性デーの地方紙の紙面をご紹介します。琉球新報や山梨日日新聞は題字などに国際女性デーのシンボルのミモザをあしらっています。紙面では、女性の声が社会に反映されていないことを1面トップで問題提起しているほか、あらゆる面に女性に関する記事が載っています。読み応えがあってSNSではなかなか読めない記事だと思います。共同通信も3年前から国際女性デーのキャンペーン報道に取り組んでいて、性別に関係なく対等な社会を目指していこうという記事を配信しています。参加者のみなさんも私たちと一緒に、子どもの未来のために少しでも何か変えられないかという思いで、新聞を手に取ってヒントを探して一緒に考えてくださったらうれしいです。

 

■一歩踏み出すきっかけに

 

 

荻野さん:子どもを生んでから生活ががらっと変わって、コントロールを失うことがあると思います。子育てはコントロールがきかないことが多いと思いますが、そんな時こそ自分の心に従ってどうしたいかを考えることも大切だと思います。子どもとずっと一緒にいたいと思うのも正解だし、子育ても仕事もしたいということもあると思います。自分に正直に、迷ったら一歩出ることだけ伝えられたらなと思います。情報を取る上で新聞はとても大事。広い視野で物事を考え、子どもとディスカッションできる母親でいたいと思ったとき、SNSの情報だけでなく、幅広い情報が必要だと感じています。

 

前田さん:本当にそのとおりですね。自分の人生のかじをきるのは自分自身。自分の人生で何をしたいか自分と向き合って見つけてもらえたらなと思います。私も奮闘している一人の母親、起業家の一人ですが、同じような境遇の方と話したり、少し前を行く荻野さんのような方の話が聞けると視野が広がり元気がもらえます。自分が知りたい情報や生き方をしている人に出会っていくことが自分の生き方を広げるヒントだと思いました。

 

山脇さん:今日のイベントが、皆さんが一歩踏み出すきっかけになればうれしいです。ありがとうございました。

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