【宮田愛萌さんに聞く】ニュースを会話のきっかけに使えたらいい

作家 宮田愛萌(みやた・まなも)さん

1998年生まれ。東京都出身。アイドルグループでの活動を経て、2023年2月に初の短編小説集「きらきらし」(新潮社)を発表した。小説誌「小説現代」(講談社)でエッセーを連載中。TBSラジオのポッドキャスト番組「ぶくぶくラジオ」への出演や短歌の創作などにも活躍の場を広げている。


気になるニュースは、記事を読み比べる

 

 気になるニュースがあると、いろいろな記事を比べている。大学で「一つのことをうのみにするな」と教わったこともあり、一つのニュースでも、なるべくたくさんの記事を読むようにしている。

 

記者の気持ちを想像|大学時代の「学報」の経験から

 

 2月に初めて小説集を出版したが、「文章」という視点でニュースを見ることもある。「この人は、ここにとても興味があったんだろうな」と想像しながら。それというのも大学生の時に「学報」で記事を書く活動に少し携わったので。インタビューの約束をとり、何を質問するか、どう記事をまとめるか。その意識があるのかもしれない。

 

「楽しい読み方」指南があったらいい

 

 若い世代はあまり新聞やニュースを見ないと言われるが、気軽に会話のきっかけとしてニュースが使えたらいいと思う。新聞の1面に載るようなニュースはSNSでもよく流れてくる。「ネットで見たんだけど、あれってどうなんだろうね」といった具合に。「ニュースの楽しい読み方」のような指南があってもいい。この記事のこの部分をこう調べて深めていくと面白いよ、という感じで。

 

ニュースを知らないのは、ある意味平和だけど…

 

 ニュースを知らないということは、ある意味で平和だということ。知ってしまうと、たとえば「この間報道されたあの事件はどうなったのか」と気になる。でも、その事件の報道自体を知らなかったら、何も知らないままで、自分の周りの環境だけで生きていくことになる。本当は、ニュースは自分が生きていく社会のことに関わっているのに。

 読書がずっと好きだった。中高大学生、そして大人になって月日がたち、同じ本を読み返すと別の楽しみがある。今後も活字に関わる仕事をしていきたい。

2023年10月30日公開