【岡田准一さんに聞く】新聞は「伝える」ことへの誇りが伝わってくる


母親の影響で推理小説を手に

 

 活字には想像する部分、「空白」がある。例えば「青い瓶」なら、映像だと誰かが選んだ瓶が用意される。活字だといろいろな想像ができる。


 活字を読むことには慣れが必要だ。最初は僕もしんどかった。母親の影響でまずは推理小説を手に取り、「この人は誰だったかな」と登場人物を確認しながら何度も読み返した。ビジネス本や心理学、考古学など難しい本も数多く読んだ。自分の好きな歴史ものを含め多様なジャンルを読めば読むほど楽しくなった。

 

1日1時間、知らない物事に触れる


 1日1時間、知らない物事に触れることを日課にしている。本のほか、新聞も移動中の車内などで読んでいる。漫画やインターネットでも何でもいい。自分がなるべくフラットな状態でいられるように、さまざまな情報をいろいろな角度から知りたい。それが役作りにもつながっていると思っている。

 

新聞を読むことは、大人になること


 新聞は、何を届けたいのかをよく考えて作られている媒体だと思う。世界で起きていることから、ほっこりするような出来事まで、取り上げ方によって作り手の思いがうかがえるのが新聞の面白いところだ。


 情報を得る手段をネットだけに頼ることへの怖さもある。ネットには信じて良いのかどうか分からない情報がある。信用性は新聞の活字の方がはるかに高い。


 そのためだろうか、「新聞を読むことは、大人になること」という印象は子どもの頃から変わらない。自分たちの足で情報を集め、「これは正しい」と思ったことを報じている。自らの思いを含め、「伝える」ことへの誇りが伝わってくる。大人になるためにも、新聞を読むことは大事なことだと感じている。

 

俳優 岡田准一(おかだ・じゅんいち)さん

1980年生まれ。大阪府出身。95年にアイドルグループV6でCDデビュー。近年の出演映画は「関ケ原」(2017年)、「散り椿」「来る」(18年)、「ザ・ファブル」シリーズ(19、21年)、「燃えよ剣」(21年)、「ヘルドッグス」(22年)など。23年のNHK大河ドラマ「どうする家康」では織田信長を演じている。

2022年10月24日公開