デジタル時代、紙の新聞になじみが薄いビジネスパーソンも多いかもしれません。
でも、情報があふれているこんな時代だからこそ、紙の新聞が使いやすかったりもします。
- 「ネットの情報で十分じゃない?」
- 「仕事が忙しいし、読む時間ないかも…」
- 「購読料が高いかなあ…」
新聞を使いこなしている20代の社会人の皆さんに、そんなギモンや不安を聞いてみました。
紙の新聞ならではのセレンディピティーがビジネスのヒントに
新聞を読むと視野が広がる、情報感度が磨かれる
――毎日のニュースはネットでチェック。ネットニュースでも十分かなって思ったりもするけど、紙の新聞って必要なのかな?
【藤本さん】
紙の新聞は、ばさっと広げると全体を俯瞰(ふかん)できて、いろんなニュースが目に入るのがネットとは明らかに違う気がする。興味のなかった話題や気にも留めていなかったニュースと偶然出会えると視野が広がるよね。ネットニュースは情報量が膨大すぎて重要なニュースを見失うこともあるような……。しっかり取材された記事は深くインプットできる気がする。ノート感覚で新聞に線を引いたり書き込んだりすることもあるけど、そんなふうに使えるのも紙ならではかな。
【小林さん】
僕は、営業先でもなかなか話題が広げられず、自信が持てなくて「情報感度が低いのかなあ」と悩んでいた時に上司から勧められたのがきっかけで、読み始めたよ。ネットだと気になった記事しか見ないけど、紙の新聞だと、自分だと検索しないワードも引っかかる。見出しとか気になったものは読んでおこうと思ってるよ。
ニュースを知っていると営業先から信頼を得られる
――新聞を読んでてよかったって思うのはどんな時?
【小林さん】
取引先は目上の方が多く、信頼してもらえないと提案内容がうまく伝わらないと感じることもあったんだよね。時事の話題を把握して意見を言えるようになると相手からの評価も変わったよ。前より話せるようになった!という実感がある。確実に会話の質があがった!
【藤本さん】
ニュースを深く理解できるのがいいと思う。記事の背景が見えてくると、社会や経済の動向がよりクリアに捉えられるようになる気がする。自分の仕事にもどんな影響が出そうとか、取引先の人とどんな話題ができそうとか、自分の思考や行動につなげることができるよ。
新聞の読み方・選び方
全部読まなくてもOK|まずを見出しを追ってみる
――仕事も忙しいし、毎日読み切れる自信がないんだけど…
【小林さん】
1面のトップ記事とか興味あるのから読んでみればいいと思う。見出しだけでもいい。必然的に興味あることはしっかり読むし、だんだん自分なりに読みやすい流れがみえてくるはず。見出しを追うだけでもニュースは頭に入ってくるよ。
【藤本さん】
隅から隅まで読み切らなくちゃと思うと大変だけど、少しずつ自分のペースをつかめばいいと思うよ。個人的にはコラムがおすすめ。ほかには、図や写真がある記事から読んでいくとかね。堅苦しいルールがあるわけじゃないし、読めるところから読むというスタイルでいいと思う。小林さんが言うように見出しだけでも目を通すと全体の感覚がつかめるよ。
無料の試し読みを活用しよう|おすすめは読み比べ
――新聞、読んだことないから、どの新聞を読んだらいいか分からない。
【小林さん】
無料の試読サービスもあるから、いろんな新聞を試してみてもいいかもね。「社説」とか「コラム」とか、各社の特徴がよく見える記事もあるし、同じテーマでも見出しや写真の強弱も違う。いくつか見比べてみて自分に合うなと思う新聞をチェックしてみるって手もあるよ。
【藤本さん】
試読は自分に合う新聞を手軽に見つけられるんじゃないかな。ローカルなニュースが必要なら地元の新聞を選ぶというのもいいかも。私の先輩は全国紙と地方紙を2紙購読してるって言ってたよ。
キャリアアップのための自己投資として
――でも、新聞って高くない?
【小林さん】
お金かけてもよむ価値はあると思うよ。就活の時だけ新聞読んで、その後やめちゃう人もいるけど、社会人こそ読み続けたほうが生き方とかキャリアに生かせるんじゃないかなあ。社会情勢とか、今後の予測とかを理解できると、自分のキャリアデザインにもすごく参考になる気がする。
【藤本さん】
お金をかけて読むからこそ、インプットやアウトプットにしっかり生かしていこうっていう意識も強くなる気がするんだよね。元を取るぞという意欲というか(笑)。読み続けていると、自分に知識や考え方のベースが身についていく感覚はあるから、私は有料でいいと思ってる。新聞記者がしっかり取材したうえで書いてある情報にはやっぱり価値があると思うし、信用度が高い。だからこそ、新聞で得た知識や考えた意見には自信を持てるような気がするね。
2021年9月21日公開