押切もえさん×太田さちかさん×中村里香さんが起業・産休・子育てトーク!新聞活用法も聞きました

子どもの能力を伸ばすには2018年12月14日
押切もえさん×太田さちかさん×中村里香さんが起業・産休・子育てトーク!新聞活用法も聞きました

モデルの押切もえさん、ケーキデザイナーで芸術教育士の太田さちかさん、プログラミング教育を手掛けるユーバー代表取締役の中村里香さんが、起業、産休、子育てについて語り合いました。3人とも新聞読者。キャリアや育児を支える新聞活用法についても意見を交わしました。司会は読売新聞社の女性向けサイト「大手小町」編集長の小坂佳子さん。2018年12月に開いたトークショーのレポートです。

太田さん、中村さんが起業するまでの道のり

小坂さん:太田さん、中村さんはともに起業経験者。起業するまでにどんな準備をされていたのでしょうか。

太田さん:フランスなど海外に何度か行った経験があるのですが、海外には子どもを対象にしたワークショップが豊富にあったんですね。これを日本でもできないかなというところから、スタートしました。

会社員の頃にはすでにやりたいことが見えていたので、仕事をしながら経理や法務のノウハウ、契約書の作り方など学びつつ、週末にボランティアでワークショップを開いたりしていました。

中村さん:プログラミング教育が2020年から小学校で必修になることが決まり、自分の子どもに習わせたいなと思ったのがきっかけです。子どもたちにプログラミングを楽しく教えるだけでなく、講師の育成もしています。

もともとはシステム業界で仕事をしていました。会社員時代にお金やノウハウを蓄積しつつ、週末を使って、ボランティアでワークショップを1年半くらいやりました。創業支援施設「Startup Hub Tokyo」で中小企業診断士やマーケティングのプロにアドバイスをしてもらいました。

起業を考え始めてから、起業までに4年くらいはかけています。

異業種に関する新聞記事がお菓子作りのヒントに

小坂さん:起業のための情報収集、あるいは普段の仕事のための情報収集はどのようにしていますか?

中村さん:市場の調査ですとか、あるいは競合他社の情報について、スピードを求めるときはウェブを活用していました。確かな情報が欲しいときは新聞を読んでいました。

太田さん:新聞の時もあれば、雑誌の時もありました。海外の美術館と子どもの関係や、海外の子どもに対する現地教育のアプローチとか、そういったキーワードにアンテナを張って、メディアをどんどん読んでいました。

今は、異業種に関する新聞記事が仕事のヒントになっています。自分のビジネスの範ちゅうではないマーケットが、新しいレシピ開発につながったり、事業の変化につながったりすることもあります。ヒントが新聞全体にちりばめられていて、意外かもしれないけど、それがお菓子作りのヒントになることもあります。

押切さん:モデルというお仕事を通じて色んな情報を得ることもありますが、やはり一読者として新聞を活用しています。

特に自分の仕事に関わるファッションの記事や、書評欄。マンションのプロデュースを8年ぐらいしているので、土地の記事も読みます。どういうものが好まれているのか、ヒットしているのかといった全体的な流れは、なんとなく感じることができます。

媒介は新聞でもママ友でもOK|社会との接点があると自分を客観的に見られる

小坂さん:太田さんは、9歳・6歳・5歳のお子さんのママ。仕事と育児は、どんなふうに両立されているんでしょうか。

太田さん:産休・育休中は一人になる時間が多くて、社会と接点がないし、人と話すこともあまりなくて。外にママ友を誘って出かけるようになると、周りが綺麗に見えて、焦りや不安もありました。在籍していた会社では部長職で産休に入ったので、そのポジションはその後どうなるのだろう、と思ったりしました。

新聞でもママ友でもいいのですが、社会に触れていると、中立的に、客観的に自分を見られるタイミングがあるんです。そうすると少しずつ不安が抜けていって、社会とつながっていけるという実感を持てたように思います。

家事は「脱完璧主義」人に頼ることも大切

押切さん:モデルは、仕事がぱったり無くなってもおかしくない仕事なので、特別な不安はあまりなかったです。子どもが生まれてから、子どもがなかなか寝てくれない時などに焦ることはありました。でも、なんとかなると自分に言い聞かせて、優先順位を決めて人と比べないようにしていました。

SNSを見ると、この人こんなに輝いている、いいなと思ったりしてしまうんですけど、自分は今自分しかできないことをやっているんだと思って、目の前のことに取り組んでました。

家事も完璧主義をやめました。もともと人に頼るのが苦手な性格だったんです。街を歩いていてどなたかが手を貸してくれようとしたとき、迷惑をかけないように遠慮していたのですが、今はありがとうございますと受け入れています。

自分も楽になりますし、こんなに社会は優しいんだということが分かります。

文章を読むのをいとわない子は伸びる|新聞スクラップブック作りで読解力磨く

小坂さん:中村さんは12歳の息子さんがいらっしゃるそうです。

中村さん:1年半くらいプログラミングを教えているのですが、文章を読むのをいとわないお子さんはすごく伸びるので、文章を読むことはすべての基本だと実感しています。

うちの息子には新聞のスクラップブックを息子に作らせています。息子は算数が得意なはずなのに、問題の意味が分からないっていうのがあって。それで新聞記事を読んで、一文にまとめる練習を毎日させています。

記事は息子の好きそうなものを私がピックアップして。スクラップブックを見返すと息子がたくさん書いてあるところもあれば、書いていないとこともあって、「この頃にはこうだったよね」みたいな、ちょっとした記念にもなります。

新聞があると、家族の話題が毎日増える

小坂さん:太田さんもお子さんと新聞を読んでいるそうですね。

太田さん:私自身が子どもの時に子ども向けの英字新聞を読んでいて、海外のレシピとか、切り抜いて取っていたんです。海外の風みたいなものを感じて、すごく憧れていました。

それで今も、自分の家庭で取っています。毎朝、子どもたちが何となく4コマ漫画から読み始めて、開いて読んでいたりするんですね。スマホやタブレットだと一対一になってしまって、その子が何見ているか分からないのですが、新聞だと子どもたちが3人で頭をくっつけて、今何読んでるのかなって分かるので、同じテーマでお話が出来るんです。

しかも毎日届くので、毎日違う話題ができるんです。日本全国の記者が書いてくれる新鮮な記事が毎日届くなんて、すごくぜいたくだなと思います。

押切さん:私はデジタルで読んでいるのですが、今皆さんのお話を聞いて、紙の新聞もいいな、購読してみようかなと思いました。読む時間がないという方もいらっしゃると思うんですけど。

小坂さん:新聞は一覧性があるので、関心の無い記事も見出しが目に入る、自然に入る。そこがなかなかスマホのサイズでは体感できないことかなと思っています。新聞を早く読むコツを聞かれることがありますが、読むと言うより“見る”ことがコツです。

1面から気になったものだけ読む。読み終わったらビリビリにして遊んでいただけたら。あと、お絵かきの紙の下に敷いてもらってもいいと思います。