起業するには何から始めるべき?今日からできる起業準備と起業の流れを紹介

「卒業したら、ベンチャー企業で働きたい。ゆくゆくは自分で起業して成功したい」
「自分で会社を作ってみたいけど、何から始めたらよいかわからない」
「起業に向いている人ってどんな人なんだろう。社交性がないと無理かな…」

いつかは起業したいと思いながら、一歩を踏み出せずにいる人は多いのではないでしょうか。

中小企業庁の「中小企業のライフサイクル」(2017年)によると、起業後5年以内に事業を停止する割合は18.3%。つまりおよそ5人に1人が起業から5年以内に廃業していることになります。

長く存続する会社を作るためには、何が求められているのでしょうか。
 
「起業するためには何が必要か」をテーマに、ベンチャー企業を支援するソウルドアウト株式会社の創業者、荻原猛さんに話を聞きました。

荻原さんの父は中小企業の経営者でしたが、荻原さんが小学生の時に会社が倒産。「絶対に社長になる」と心に決めた荻原さんは大学卒業後、すぐに什器などを販売する会社を仲間と起業します。しかし事業に失敗。その後、ベンチャー企業に就職し、成長企業の会社員として働く中で、中小・ベンチャー企業が抱える課題や悩みを解決することが使命だと感じ、ソウルドアウト株式会社を設立したそうです。

今回は、自身の経験を交えながら、起業家として成功するために必要なマインドやスキルをお話しいただきました。

ソウルドアウト株式会社創業者 荻原猛さん

ソウルドアウト株式会社創業者 荻原猛さん

 

 

起業に必要な3大資源とは?

 

起業とは「新しい事業を始めるために会社を立ち上げること」です。

起業するためには何が必要なのでしょうか。

どんな人が起業家に向いているのでしょうか。

 

 

起業家の特徴――「キング」と「リッチ」タイプ

 

―― 起業家に共通する特徴を教えてください。

 

ハーバードビジネススクールのノーム・ワッサーマン教授によれば、起業家には「キング」と「リッチ」の2つのタイプがあると言われています。

起業家には「キング」タイプと「リッチ」タイプがいる

 

「キング」タイプは、事業に対する経営コントロールを維持し続けるタイプ。目標とするビジョンを明確に持ち、組織をゼロから築くことに重点を置きます。自身のリーダーシップを遺憾なく発揮してチームを率い、会社の目標やビジョンを実現させる能力に秀でています。株式会社ファーストリテイリングの柳井正さんや、株式会社ZOZOを創設した前澤友作さんは「キング」タイプだと思います。

一方の「リッチ」タイプは、経営コントロールよりも会社の業績と資産の増加に重点を置きます。市場の動向やトレンドを見極める分析力に長けており、事業ポートフォリオをバランス良く構築し、リスクを分散させることに努めます。ソフトバンクグループ株式会社の孫正義さんや株式会社サイバーエージェントの藤田晋さんは「リッチ」タイプと言えるのではないでしょうか。

私自身は「キング」タイプ。たとえ事業が順調に進まない時があっても、自分が掲げたビジョンは必ず実現させる強い意志を持っていると自負しています。

 

起業するメリットとは

 

―― ご自身の経験から、起業するメリットは何だと思いますか?

 

起業は、自分の成し遂げたいことや夢を実現できる手段だと思います。

新たな商品・サービスの開発を通じて社会全体に影響を与えることができ、社会を一歩前進させられます。また、起業に成功すれば、収入や資産を増やすことができ、経済的な自立も実現できるでしょう。

共に働く仲間といくつもの課題に立ち向かい、乗り越えた時に得られる満足感は非常に大きいです。その経験を通して、多くの学びと成長を実感するでしょう。

ただし、起業には困難やリスクも伴います。そのため、起業に必要なマインドやスキルをしっかりと準備することが重要です。

起業に必要なマインドとスキルを把握。しっかりと準備することが重要

 

起業に必要なのは「ヒト・モノ・カネ」

 

―― 起業するには、まず何を準備すればいいでしょうか。

 

起業するためには、一般的に「ヒト・モノ・カネ」が必要と言われます。

「ヒト」とは人材のこと。優秀な人材の確保は経営を大きく左右しますし、事業継続や成長において「ヒト」はとても大切です。

「モノ」は製品そのものだけでなく、製造・管理・販売の各過程で必要な設備など、物理的に企業が所有するものを指します。モノをどう活用するかは、利益に直結します。

経営では、キャッシュフローを重視することが重要です。利益はもちろん大切ですが、キャッシュフローがなければ事業を継続できません。そこで、緻密な事業計画の作成と資金調達が求められます。投資家は、事業計画を通じて将来の収益性やリスクを評価するため、会社を立ち上げる際は、事業計画を具体的かつ説得力のあるものにする必要があります。

そして「カネ」は経営資源のこと。資金が不足していると、優秀な人材(ヒト)の確保も、施設や設備(モノ)の整備もままなりません。起業家は必要な資金を調達し、適切に投資することが求められます。

ソウルドアウトを立ち上げたばかりの頃は、売り上げが小さいため、仕入れ先も私たちと本気で取引してくれることは少なかったです。そこで、戦略的に仕入れ先を厳選し、連携を深め、信頼関係を築くことに注力しました。このように仕入れ先とのパートナーシップを構築することで、事業の成功確率は上がると思っています。

3大経営資源「ヒト・モノ・カネ」

 

―― 「ヒト・モノ・カネ」の中で、何が一番重要でしょうか。

 

3つのバランスが大切だと思います。あえて1つ挙げるとすればやはり「ヒト」でしょうか。

私自身、事業を進める中で悔しい思いもたくさんしましたが、困った時に支えてくれる仲間がいたからこそ乗り越えられたと思っています。

私は大学卒業後すぐに起業しましたが、会社をどう成長させればよいか、ビジョンを描けずにすぐに解散せざるを得ませんでした。この時は、私を信じ続けてくれた家族が支えになりました。

ソウルドアウトを創業した時の初期のメンバーには本当にたくさん助けられたので、今も頭が上がりません。創立時は実績や将来の収益性がないので投資家や顧客から企業としての信用を得られず、評価も低かったんです。そんな中でも私を信頼してついて来てくれたメンバーや入社してきてくれた社員にはとても感謝しています。

 

 

起業家として成功するには?必要なマインドとスキルを解説

 

―― 起業家として成功するためには、どんなマインドやスキルが必要なのでしょうか。

 

マインド面では「強い志や理念」と「好奇心」が必要です。持っておきたいスキルは「マクロを読む力」と「専門性と幅広い知識」が挙げられると思います。

強い志や理念を持つ

 

―― 「強い志や理念」はどんな時に必要になるのでしょうか。

 

強い志や理念を持っている起業家は、多くの人を引きつける力があります。

成し遂げたいビジョンへの覚悟や思いがあれば、スタートアップ企業でも事業に賛同してくれる人や応援してくれる人、出資してくれる人が自然と集まるんです。そうやって、周りに支えてくれる人が多くなればなるほど、掲げたビジョンは組織全体に、ひいては社会全体にまで浸透していきます。

当然のことながら起業はリスクを伴います。失敗を恐れないマインドや、たとえ失敗したとしても前向きに乗り越えようとする心構えが必要となります。起業家は、さまざまなシチュエーションで自分にくじけない意志があるかどうか試されるんです。

私は、1社目の起業に失敗してやむを得ず転職した際、「自分の天命は何だろうか」「いつかは実現させたいビジョンのために、自分のすべてを費やすことではないだろうか」と、事あるごとに自問自答していました。そんな過程を経て、ソウルドアウト株式会社を立ち上げました。

 

好奇心を持ち続ける

 

―― 好奇心も持ち続けるべきなんですね。

 

好奇心は、学びへの意欲を持続させます。いわば、自己成長の基盤とも言えますね。経験豊富な社会人であっても、新しい知識やスキルを習得しようと継続的に勉強し続けることは非常に重要です。

起業家は新たなアイデアやビジネスモデルを生み出すことが求められるため、今ある知識や経験だけに捉われない発想を持つべきでしょう。そうすれば、既存の枠組みに捉われない創造的な挑戦ができるようになります。事業を継続するためには、常に新しい地平を見据え、ビジョンを持ち続けることが重要です。好奇心を持ち続けることは、イノベーションの源泉を維持することでもあるんです。

 

マクロを読む力を身につける

 

――起業に必要な「マクロを読む力」とは何でしょうか?

 

「マクロを読む力」とは、社会全体を俯瞰して市場の動向を把握し、次に何をすべきか適切な意思決定する能力のことです。「今の社会の流れなら、近い将来こうなるだろう」と、起業家が社会のトレンドを把握して、事業プランを組み立て、次のビジョンに向けて組織を改善するかどうかが起業の成功の秘けつと言えます。

国内にとどまらず世界の動きに目を向けることも重要です。特に世界情勢は、経済の変動に影響を及ぼすケースが多いため、経営上、必要なリスクヘッジに役立ちます。

私は、これまで多くの起業家と交流してきましたが、「マクロを読む力」の重要性は成功者の多くが言及しているスキルでもあるんです。

専門性と幅広い知識を持つ

 

――起業家には経営に必要な知識だけでなく、専門性も求められると伺いました。専門性や幅広い知識が必要な理由を教えてください。

 

昨今、起業するかどうかにかかわらず予測不能とされるVUCAの時代に適応するため「T型人材」が必要とされています。T型人材とは「特定の専門分野と幅広いジャンルの知識」を有する人材のことで、最新の情報や広い知見をもとに柔軟にアクションを起こせるスキルを有しています。

経営において、「特定の専門分野と幅広いジャンルの知識」を持つ人は、競合他社と差別化を図りながら、独自性の高い価値提供ができます。さらに、最新の技術革新のトレンドに合わせた事業アイデアを考えることができると、新しい人材の採用に着手する、他業種とコラボレーションするなど、より広い視野でビジネスを展開できるでしょう。

起業家として成功するためのマインドとスキル

 

起業家が身につけておくべき効果的な情報収集術

 

――起業に必要なマインドを高め、スキルを身につけるためにどんな準備すればいいでしょうか。

 

総じて言えることは、常に勉強することです。現状にとどまらず、常に自分をアップデートする姿勢を維持させる必要があります。

そのためには、習慣的に正確かつ最新の情報に触れることが大切です。

 

成功者の話を聞く、ビジネス書や新聞を読む

 

――具体的な勉強方法や情報収集術を教えてください。

 

ビジネス書を読むことやその道の成功者やトレンドを知る人から話を聞くこと、学校に通ったりセミナーに参加したりすることが挙げられると思います。これらをバランス良く取り入れることが大切ですね。

私の場合、起業したての頃は、経営を体系的に学ぼうとMBA(経営学修士)を取得しました。

最近は、先輩起業家や若手社員の話に耳を傾けるようにしています。先輩起業家には企業経営の話を聞いたり、現場の若手社員には今の流行りや悩み事を聞いたりしています。

また日々の習慣で、新聞を読むように意識しています。

効率的な情報収集法は「成功者の話を聞く」「ビジネス書や新聞を読む」

 

 

 

新聞は、正確な情報を網羅的にインプットできる

 

――ネットやSNSで手軽に情報収集できるのではないかと思いますが、なぜ、新聞を読まれているのでしょうか?

 

新聞を読んでいる理由は、情報の正確さと鮮度が高いからです。また幅広い知識を効率的にインプットすることができると感じています。

ネットやSNSは、記事を一度閲覧すると似たテーマばかりが表示されますが、新聞だと見落としがちなニュースを含めて網羅的に目を通せるのが良い点だと思います。

また、社会や経済など起業家に必要な情報をはじめ、教育や子育て、医療や地域情報など生活に役立つ知識も得られるため、他の起業家や投資家、クライアントや社内のメンバーとの話題づくりにも役立っています。

さらに、日本だけでなく、世界で起きている最新の出来事がわかりやすくまとめられているため、社会全体の動向を把握できる点もメリットだと思います。起業家が身につけるべきスキルの話でも触れた通り、T型人材に求められる広範囲な知識を身につける上でも新聞は効果的だと思いますよ。

私の場合は、何か新しいビジネスチャンスを見つけたら、そのテーマについて、ネットの情報と合わせて新聞の情報もチェックするようにしています。新聞は地域密着の旬な情報を得られるので、新しいビジネスアイデアにつながることもあります。

また、社内で毎週開くミーティングでは、ネットや新聞で得たニュースを組み合わせて「今週のトピックス」としてシェアするようにしています。メンバーの社会的視野を広げる取り組みの一環として、とても効果的だと思いますよ。

新聞を読むメリット「情報が正確、鮮度の高い情報が得られる」「幅広い知識を効率よく網羅的にインプットできる」「仕事で関わる人と共通の話題ができる」「社会全体の動向を把握できる」

 

まずは1面から。関心あるテーマはさらに読み込む

 

――「起業家は忙しい」というイメージがあります。荻原さんご自身は、普段どのように新聞を読んでいますか?

 

私は、起業したての頃から、経済紙を毎日読んでいます。オフィスへの出勤時や取引先に訪問する移動時間など、ちょっとした隙間時間を活用して読むようにしています。

まずは、1面にある見出しに目を通します。最新のニュースを全体的に把握するようにし、スマホでは見落としがちなトピックにも目を向けます。関心のある話題は、じっくり読み込みます。

気になるニュースがあれば、SNSやビジネス情報サイトでも詳しく調べるようにしています。新聞とはまた違う切り口で、有識者の意見や調査データなどを取り入れられるので、より深い知識が得られるようになるんです。

近年、起業家向けの国や行政の支援制度も増えています。新聞に目を通していると、そういう情報も入ってくることがあります。その観点からもこれから起業を考えている人や学生さんに、新聞を読むことはおすすめです。

新聞の活用法

 

起業するには?必要な法的手続き(5ステップ)を解説!

 

現在日本で設立できる会社形態は「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4種類です。

4つの会社形態

参考:創業の形態|法人格の選択について【創業サクセスマニュアル】|公益財団法人あいち産業振興機構

ベンチャーとスタートアップの違いとは?

 

新しい会社の呼称として「ベンチャー」と「スタートアップ」という言葉があります。

「スタートアップ」は、元々は「新しく設立されたばかりの企業」という意味で使われ始めた言葉で、イノベーションや社会貢献に重きを置く企業のことを指します。新しいビジネスモデルや市場を開拓し、事業価値を短期間で飛躍的に高めることを目標としています。

対して「ベンチャー」とは、ベンチャービジネスという和製英語から派生した言葉で、独自の技術や新しいアイデアを実践し、成長している企業のことを指します。新しい事業へ挑戦する既存企業や改革を目指す大企業もベンチャーに含まれ、企業内で新規事業開発を行う際は「社内ベンチャー」とも呼ばれます。

参考:地方創生に向けたスタートアップエコシステム|経済産業省
参考:ベンチャー有識者会議|経済産業省

 

会社を起業するために必要な法的手続き

 

起業する(設立登記)までには、次の5つのステップを踏む必要があります。なお、ここでは取締役1名で株式会社を設立する際の手順を紹介します。

1.基本情報の決定

「どのような会社を設立するのか」を定めます。基本情報は後のステップで作成する定款にも記載が必要な重要事項です。ここで定めるべき事項は次のとおりです。

・会社形態
・商号
・目的
・本店の所在地
・設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
・発起人の氏名又は名称及び住所
・事業年度
・役員や株主の構成

参考:株式会社の設立手続(発起設立)について|法務省

2.印章の作成

事業を営むなかでのあらゆる契約書面や銀行取引、不動産取引などに必要な印鑑を作成します。作成した印鑑を法務局で登録する場合は、「辺の長さが1cmを超え、3cm以内の正方形の中に収まるもの」が推奨とされるサイズです。

参考:株式会社の設立手続き | 起業マニュアル | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト] |独立行政法人中小企業基盤整備機構
参考:商業・法人登記 Q&A|法務省

3定款の作成・認証

発起人全員の同意のもと、会社の目的・事業内容・役員の任期など、会社の根本となる重要な規則が記載された定款を作成し、公証役場で認証を受けます。なお、合同会社・合名会社・合資会社については定款の認証は不要です。

参考:株式会社の設立手続(発起設立)について|法務省
参考:9-4 定款認証 | 日本公証人連合会

4.出資金の払い込み

定款が認証されたら、資本金を払い込みます。この時点では会社設立前で、会社名義の口座が作れないため、発起人の口座に振り込むことが一般的です。支払い完了後、振り込んだ通帳の表紙・表紙裏(支店名、口座番号、口座名義人が記載されているページ)・資本金の振込記録のあるページをコピーし、登記申請まで保管します。

参考:株式会社の設立手続き | 起業マニュアル | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト] |独立行政法人中小企業基盤整備機構

5.登記申請

発起人が定めた日から2週間以内に、本店所在地を管轄する法務局で登記申請を行います。申請にあたって、取締役1名で株式会社を設立する場合は次の書類が必要です。

1.株式会社設立登記申請書
2.収入印紙貼付台紙
3. 定款
4.設立時代表取締役を選定したことを証する書面
5.設立時取締役の就任承諾書
6.印鑑証明書
7.払込みを証する書面
8.資本金の額の計上に関する設立時代表取締役の証明書
9. 「登記すべき事項」を記載した書面または保存したCD-R

参考:株式会社の設立手続(発起設立)について|法務省
参考:株式会社設立登記申請書|法務省

事業開始までに必要な届出

 

事業を開始するまでに5つの届出が必要です。提出先によって提出書類や期限が異なるため、各機関の案内を確認しながら漏れなく対応しましょう。

1. 「法人設立届出書」「給与支払事務所等の開設届出書」を税務署へ提出
2. 「法人設立届出書」を都道府県税事務所と市町村役場へ提出
3.健康保険・厚生年金の加入手続きについて年金事務所へ届出
4.労働関係法令に関する届出を労働基準監督署へ提出(設立時に従業員がいた場合のみ)
5. 雇用保険に関する届出をハローワークへ提出(設立時に従業員がいた場合のみ)

参考:株式会社の設立手続き | 起業マニュアル | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト] |独立行政法人中小企業基盤整備機構
参考:新規で事業を開始された皆様へ|厚生労働省

※本記事は23年7月に執筆したものです。最新情報は各ホームページをご参照ください。

 

 

勇気を持って起業へ踏み出そう

 

「起業するには何をすべきか」をテーマに、起業を目指す人に必要なマインドやスキルについて、ソウルドアウト株式会社創業者の荻原さんに聞きました。

起業に必要なのは「強い志や理念」と「好奇心」。そして、「マクロを読む力」と「専門性と幅広い知識」の2つのスキルが求められます。特に重要なのが「マクロを読む力」。成功者の多くが語るように、社会のトレンドを把握して、新たな手を打てるかどうかが起業の成功のカギを握ります。また、予測不能な時代に起業を継続させるためには、専門性を身につけて、専門的で幅広い知識を取得する必要があります。

「マクロを読む力」や「専門性と幅広い知識」を身につけるのに有効なのが、ビジネス書や新聞を通して知見を広げること。荻原さんは、起業したばかりの頃から隙間時間を活用して新聞を毎日読んでいたそうです。時間がない時は見出しを追うだけでも、トレンドを把握することができます。

起業は決して簡単な道ではありません。自分のビジョンを実現するために、勇気を持って起業する第一歩を踏み出しましょう。

荻原猛(おぎわら・たけし)さん

荻原猛(おぎわら・たけし)さん

ソウルドアウト株式会社創業者/株式会社ロケットスター代表取締役社長

1973年生まれ。中央大学大学院戦略経営研究科修了。大学卒業後、すぐに起業。インターネットの可能性に気づき、2000年に株式会社オプトに入社。 06年に同社執行役員。09年にソウルドアウト株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。23年3月に退任。同年4月、株式会社ロケットスターを設立し、代表取締役社長に就任

 

2023年8月9日公開
※インタビュー中のトピックは取材時のものです