仕事ができない人の特徴や原因は?人事アドバイザーに聞いた打開策を紹介

仕事でミスが続き、上司やクライアントに怒られてばかり。いつも膨大な仕事に追われていて、気持ちの余裕が持てない。そんな時、「自分は仕事ができないのではないか」と悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。

仕事がうまくいかない時には必ず何か理由があります。今回は仕事ができない人の特徴や原因と打開策について、企業の採用活動に携わる人事アドバイザーの小池弾さんに伺いました。 打開策のポイントは「正しく理解しながら情報収集すること」。小池さんは、これが仕事をする上でカギとなると言います。

 

 


Capy株式会社国内統括役員/人事アドバイザーの小池弾さん

 

 

仕事で思い悩む時って、どんな時?

 

 

「自分は仕事ができない」と感じるシチュエーションでは、約半数の人が「自分の意見・主張を相手にうまく伝 えることができない」と回答

 

社会人372人に「仕事ができない」と感じる場面を尋ねたところ、約半数が「自分の意見・主張を相手にうまく伝えることができない」と回答しました。出社・リモートの勤務スタイルを問わず、コミュニケーションに課題を感じる人が多いようです。「上司や取引先から言われたことを理解できないことがある」「先輩や上司に相談しづらい」 「スケジュール・タスク管理ができない」が続きます。

(調査は23年4月1~15日、就労経験がある全国の18歳以上の人を対象にインターネットで実施)

 

 

仕事ができない人の特徴4つ

 

 

アンケート結果からもわかる通り、「仕事ができない」と感じる人の特徴は、①物事を的確に伝えられない、②言い訳やわかったふりをしてしまう、③課題や問題が見つけられない、④タスクマネジメントができない、の4つが挙げられます。

 

特徴1:物事を的確に伝えられない

 

「物事を的確に伝えられない人」は、話の要点を整理せず、思いつくままに話を進めてしまいがち。認識のズレや混乱が起きないよう、情報を的確にまとめた上で、筋道立てて伝えるスキルが必要です。相手が自分と同じ認識を持っているか」 を意識しながら情報を伝えることが苦手なのかもしれません。

 

特徴2:言い訳やわかったふりをしてしまう

 

言い訳が多い人は、 自分自身を客観的に見ることができていない可能性があります。「自分の言動に問題がなかったか」「自分以外に要因があるなら、どうすれば改善できるか」を広い視点で考えられていません。自分に非がある場合は素直に認めて改善しようとすること、自分以外の要因については周りに働き掛けながら解決していくことが重要です。

 

課題や問題が見つけられない

 

自ら問題を見つけ出し、仮説に基づいた行動を積み重ねながら、解決に導く力が不足していることを指します。いつまでも誰かが教えてくれるのを待っていたり、言われたことだけをこなしたりするような、仕事に対して受け身な姿勢になっていませんか。決められた手順で簡単に終わらせられる仕事は、いずれ人工知能(AI)に置き換えられていくでしょう。

 

特徴4:タスクマネジメントができない

 

タスクマネジメントができていない人は、「そもそもタスクを正しく認識できていない」「適切な工数が見積もれない」「タスクの優先順位が整理できていない」のどれかに当てはまるでしょう。

言われたタスクを忘れる、タスクをうまく理解できないといった初歩的な問題があると、やるべきことが正しく可視化できず、抜け漏れが多数発生します。優先順位をつけられないのは、緊急度や重要度、納期などが把握できていないことが原因です。

 

仕事ができない人は「物事を的確に伝えられない」「言い訳やわかったふりをしてしまう」「課題や問題が見つけられない」「タスクマネジメントができない」といった特徴がある

 

 

仕事ができない人に考えられる3つの原因と解決策

 

 

原因1:組織の心理的安全性が低い

 

「スケジュール管理ができない」「同じことを何度も言われたり、聞いたりしてしまう」場合は、そもそも組織の心理的安全性が低いことが考えられます。社員が安心して働きやすい状態が整えられていないと、仕事に思い悩んでいる社員が助けの声を上げたくても上げられないからです。

 

解決策1:社内だけでなく、社外にも解決策を求める

 

今抱えている課題を上司に率直に相談してみると良いでしょう。

もし社内で納得できる解決策が得られない場合は、社外の人間関係から解決策を探るのが得策です。コーチング的なコミュニケーション手法を使って、状況や問題を一度整理し、 自分が見落としている課題に気づかせてくれる人に相談できるとベストです。

 

原因2:メンタルダウンの可能性がある

 

過度なストレスやプレッシャーが原因で、現状を乗り越えたくても、体と心が思うようについてこないことがあります。例えば、成果主義の職場でなかなか結果が出ず、心理的に追い詰められている場合などはメンタルダウンに陥りやすくなります。仕事ができないと悩んでいる方で、「眠れない」「食欲がない」「何事も自分のせいにしてしまう」といった症状がある場合、まずは少し休むことが必要かもしれません。

 

解決策2:適切な自己肯定感を持つ

 

適切な自己肯定感を持つことが大切です。自己肯定感は高過ぎても、低過ぎても、仕事に良い影響を及ぼしません。自己肯定感が高過ぎると、プライドが高く、扱いづらい人という印象を与えてしまいます。一方、自己肯定感が低いと、他人と比べて苦しくなったり、人から見下されないように過剰に自分を守ろうとしたりします。結果的に、わかったふりや、失敗を認めずに隠そうとすることにつながります。 ありのままの自分を受け入れることが大切です。

 

原因3:日頃から情報収集をする習慣がない

 

日頃から“十分に”情報収集する習慣に欠けている可能性があります。ここであえて“十分に”とお伝えしたのは、「正しく理解しながら情報収集できているか」が仕事をする上でカギとなるからです。

メディアを通して伝えられる情報は、他の誰かの目を通して伝えられたものがほとんどで、一つの見方に過ぎません。背景にある過程やロジックの分析ができないまま、表面的な情報だけをうのみにしている人が多く見受けられます。

特にSNSで情報に触れる時は注意が必要です。SNSは承認欲求を満たすためのツールで、「いかに多くの人に反応されるか」を考えて情報が発信されています。判断を見誤ると正しい情報を得られないことがあります。

 

解決策3:「一次情報」を多角的に収集する

 

有効な解決策は、できるだけたくさんの一次情報に触れることです。情報の元となった論文や調査結果にも目を向け、多角的な視点から事実を見極めることが大切です。

 

 

仕事がうまくいかない時は視野が狭くなっているかも

 

 

一次情報に触れれば触れるほど視野が広がり、社会全体を俯瞰できるようになります。世界に目を向けた一次情報に触れること、そして、その情報源を自ら確認することが大事です。より一次情報に近しい情報に触れるという点では、数ある情報収集ツールの中でも、新聞が優れています。新聞記者は、まさに足を運んで生の情報を得ています。その情報が新聞を通じて発信されているからです。

 

新聞購読の習慣は視野を広げるきっかけになる

 

さらに、新聞やSNS、ニュース・ビジネス系情報サイトなど、複数のメディアを読み比べることをおすすめします。

一つのメディアだけでは得られない情報を網羅的に集められることはもちろんのこと、自分なりに情報を取捨選択できるため、情報収集の精度が上がります。

例えば、新聞は記事の正確性や信頼性が求められるため、厳しいチェックを経た記事が載っています。一方、SNSでは個人の意見や情報が簡単に流れるため、事実と異なる情報も目にすることがよくあります。しかし、SNSでは現場で起こっている情報をリアルタイムで入手できる利点もあります。

ニュース・ビジネス系情報サイトは、ビジネスに関する情報を専門的な視点から扱っている記事が多いです。その分野に興味のある人には非常に有益だと言えます。

それぞれのメディアで取り上げられるニュースや情報の共通点や違いを見比べることで、より多角的な視点から収集でき、自分に役立つ情報を高い精度でキャッチアップできるようになります。

 

新聞で「コミュニケーション能力」「ビジネススキル」向上

 

新聞には、政治、経済、社会、文化、スポーツ、芸能など幅広いジャンルの記事が掲載されています。あらゆる年代や性別、職業に関わらず、共通の話題を見つけることができます。

例えば、スポーツや芸能、グルメなど、興味関心のある話題についても、多くの人が新聞を通じて情報を取得しています。また、社会や政治問題など、多様な価値観を持つ人々が共通に抱える問題についても、新聞を通じて情報を得ることができます。さらに、新聞を読むことで、異なる視点や意見に触れることができ、知識や視野を広げることができます。結果的に、仕事でも必要とされるコミュニケーション能力やビジネススキルを向上させることができるでしょう。

私は、新聞に加えてニュース系まとめサイトを通して、自分が興味のあるジャンルだけでなく、今のトレンドを幅広く把握しています。

そういえば、仕事に直接関係がないジャンルの情報がきっかけで、その道の成功者に興味が湧き、実際に会ったことで、新しい事業につながったことがありました。新しい着想を得るには、やはり自分の関心の範囲外に目を向けることが重要ですよね。あらゆるメディアを通じて得られた情報に加えて、さまざまな人とのコミュニケーションを通じて得られた情報も一緒に組み合わせれば、仕事のスキルアップの可能性が無限に広がるなと感じています。

 

 

周りの人とうまく協力しながら試行錯誤を重ねることが大切だと語る小池さん

小池弾(こいけ・だん)さん
Capy株式会社国内統括役員/人事アドバイザー

システムインテグレーター大手、人材資源(HR)のスタートアップを経て、2018年に転職支援型SNSを提供するウォンテッドリー株式会社のビジネス採用担当に就任。組織の採用、教育、文化醸成に関わりながら、リクルートメント・マーケティングを指導している。
現在はIT企業Capy株式会社の国内統括役員を務めながら、人事アドバイザーとして複数社を支援している。 著書に「リクルートメント・マーケティング 採用活動をマーケティングでハックせよ」(20 年、MarkeZine Digital First)がある。

 

2023年5月30日公開
※インタビュー中のトピックは取材時のものです