【もう中学生さんに聞く】厳しい芸人の世界|新聞に癒され、元気に

お笑いタレント もう中学生さん

1983年生まれ。長野県出身。イラストを描いた段ボールなど自作の大道具、小道具を使った1人コントで、子どもから大人まで楽しませる。地元の長野をはじめ、各地のイベントやテレビ番組に出演している。


出身地・長野の地元紙を購読

 

 18歳で上京し、東京が活動の中心になっても、故郷の地元紙を購読している。中でも、地域のニュースが載っている優しい、軟らかいページが好きだ。

 お笑いの世界は、浮き沈みが激しい。急に仕事がなくなる。周りから「きょうは良かったよ」と言われても満足のいく日はない。悩んだり、落ち込んだり。1人でいると「ウー」となる時、新聞に癒やされ、元気をもらう。

 毎日、家に届いた新聞を手に取る。テレビ欄からページをめくり、最後に1面のコラムを読む。地域の皆さんが紙芝居を読んだとか、新しいお店ができたとか、地元のニュースが自分の刺激になる。人を元気づけたいと思い、芸人をしているので、自分も頑張ろうと思う。

 

プロ野球・ヤクルトの記事が楽しみだった小学生時代

 

 新聞を読み始めたのは、小学校低学年の頃。プロ野球・ヤクルトのファンで、まずはスポーツ面から。お笑いコンビのダウンタウンも大好きで、テレビ欄を確かめるようになった。

 新聞から学ぶことは多い。聞いたことのない言葉や知らない土地の名前を自分で調べ、頭の中の「新しいこと貯金」が増えていくのがうれしい。

 テレビやインターネットでもニュースは見るけれど、新聞の良さは毎日届くこと。最新の出来事がずっしり詰まっていて、わくわくする。

 

コントには、季節ものを取り入れる

 

 段ボールに絵を描いた大道具や小道具を使った自分のコントには、季節ものを取り入れている。梅が咲いてきたよ、リンゴの剪定(せんてい)が始まったよ、といった記事や写真からも発想する。東京に住んでいると、なかなか分からない。

 お笑いは、誰もやっていないことをやらないと、ウケない。先輩芸人から学ぶことも多いが、18歳まで育った故郷の環境が芸風に生きている。恩返しをしていきたい。

 

2023年5月16日公開